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○医療応用マイクロマシン技術

体腔内において診断や治療をするマイクロマシンシステム(特に脳血管診断治療システム)の実現に必要な技術

 

?プロジェクトの経緯

本プロジェクトは、発足以前も含め、以下のような経緯で現在に至っている。

 

1989年

「次世代ロボット」プロジェクトの計画作りがスタート。委員会が組織され、テーマ探索と、各テーマの技術動向、市場性等が調査された。

これがスタートした背景には、その時点で進められていた大プロ「極限作業ロボット」が終盤にさしかかっており、次のロボット関連のプロジェクトを考える必要があったことが大きく影響している。

1990年

評価の結果、「マイクロマシン」に決定。この当時、すでにマイクロマシンは注目されつつあった。例えば、1988年にすでに大学の研究者を中心とした「マイクロマシン研究会」が発足しており、また、この年にベルリンで、第1回マイクロシステム技術国際会議が開催されている。

1991年

「マイクロマシン技術」プロジェクトがスタート。最初の1〜2年は調査が主体で、その間に参加企業の応募や研究開発テーマの絞り込みを行う、というのがこの種のプロジェクトのスタイルである。

なお、スケジュールとしては、1995年の中間評価までに要素技術研究を行い、応用のめどをつけ、1996年からは応用技術開発を行い、2000年に総合評価を行うとしている。また、研究開発成果については、毎年報告書が作成され報告される。

1992年

(財)マイクロマシンセンター発足。NEDOからの予算の窓口という位置づけであり、プロジェクトの運営のほか、調査研究や広報的な業務も行う。

1994年

1995年の中間評価、及びそれ以降の応用開発の準備のため、有望な応用の市場規模予測を行う。また、特に医療用への適用を念頭に置いて、医者の立場からの応用可能性を検討する「医療用マイクロマシン研究会」が、民間主催、厚生省後援のもとで発足した。

1995年

中間評価を経て応用開発段階に入る。最終的に絞られたのは、前述の3テーマである。

 

?研究開発体制

本プロジェクトの研究開発実施体制は、図4-2-8に示すようなものである。

マイクロマシンの技術開発に関わる国立研究所としては、計量研究所、機械技術研究所、電子技術総合研究所の3つが参加している。また、大学に関しては、東大を中心とした各分野の専門家が、特に基礎的な研究開発で参加している。

企業は、表4-2-5に示すように、マイクロマシンの賛助会員になることで研究開発に参加することになる。ちなみに、一般賛助会員の会費は600万円(入会時の寄付金:400万円、年会費:200万円)であり、研究賛助会員になると、NEDOからの委託も受けられる代わりにさらに高額の会費が必要となる。

 

 

 

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