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?成功させるためのポイント

研究開発が成功するかどうかは、建設省としてのニーズをうまく読めるかどうかにかかっている。すなわち、成果活用のレールが引かれているかどうか、行政のツールとしてすぐに直接反映できるルートがあるかどうかで、成功の正否が決まる。

また、企業にとっては、それが商売のツールにもなり、関連する公共事業を受注することによって競争力を向上させることができる。

 

?現時点での課題

テーマ設定は、一応広くアイデア募集をしたうえで行っているが、本当に効率的かつ効果的な研究開発テーマが選ばれているかどうかは明らかではない。その辺のチェックの仕組みが必要であろう。

体制的には大学との連携が弱いのが課題である。今後は、基礎研究を充実していくことにより、大学との連携を緊密に取っていく必要がある。

人材の交流面では、建設省の特質から人の交流に対して限定的にならざるを得ないという課題がある。例えば、受発注の関係から純然たる民間の人材は建設省関連には受け入れられない。これは研究開発においてはマイナスになってしまう。

省庁間の交流については、まだハードルは高いといえるが、最近は、例えば「コスト削減のための技術開発」というテーマで、省庁間連絡会議を開催して検討している。今後、このような連携は増えてくるであろう。

 

?その他

建設分野の日本の技術レベルは非常に高く、技術だけ見れば世界的な競争力はある。ただし、それ以外のところ(例えば独特の流通構造からくるコスト高)での問題が多く存在し、必ずしも競争力が高いといえないところが課題である。

 

 

 

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