2)「総合技術開発プロジェクト」の位置付けと概要
総合技術開発プロジェクト(以下総プロ)は、建設技術に関する重要な開発課題のうち、特に緊急性が高く、対象分野の広い課題を取り上げ、産学官の連携により、総合的かつ組織的に技術開発を実施する制度である。
昭和47年度の創設以来、平成7年度までに32課題が終了している。
研究実施にあたっては、土木研究所、建築研究所、国土地理院が中心的役割を担い、プロジェクトを構成する個別の課題について、必要に応じ民間・大学等から共同研究者を公募し、効果的な研究体制の構築を図っている。
因みに平成9年度の総プロの予算額は合計で約10億円であり、表4-2-1に示す8テーマについて技術開発が実施されている。
3)総プロにおける研究開発環境
?研究開発テーマの選定方法
研究開発テーマの選定については、現在「科学技術基本法」を受けて、評価のあり方を省内で検討しているところであり、評価要領のようなものを作成している。また、暫定的に評価委員会を組織し、来年度予算のために準備的に試みているところである。
一般に総プロでは、次のようなプロセスでテーマが選定される。
・省内各局、地方建設局、公益法人からアイデア募集をする。
・企業からのアイデアは公益法人を通して抽出される。
・これらのアイデアをベースとして、土木研究所と建築研究所の企画部が舵取りをしてテーマの素案を作る([アイデア+研究所の研究者ニーズ]を踏まえて作成)
・官房技術調査室が中心となって、素案をベースに世論等を勘案しつつ、内部で議論をしてテーマが決定される。