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既存船舶において価格以外に差別化しうる技術課題は依然あり、この分野は企業主体で進めるべきで、新コンセプト船舶の開発は公的機関あるいは産学官共同の専門組織方式との意見が多い。機能についてはCFDなどのシミュレーションやデータベースとの組み合わせに加え、船舶や海洋開発に関するより広い技術課題に対応しうるべしとの意見であるが、これらは設備への目的・規模により相違はあっても、今後の水槽設備に不可欠な機能である。

規模を縮小してもという表現には企業の研究投資減少の中で設備運営の難しさをうかがわせるものがあるが、既存の大型設備については、それぞれの設備の特徴を生かしながら、既存船舶関連に重点指向したコンパクトで稼働性の高い回流水槽のような機能と、曳航水槽の特徴である高精度と信頼性を併せもつ設備への脱皮が1つの解であろう。

新コンセプト船舶関連のような多様な技術課題に対応するには、ある程度の規模と高い機能が必要であり、公的機関あるいはそれに準ずる専門組織の保有方式が適当であるが、水槽設備を保有しない企業の既存船舶関連開発支援のための設備をどうするかも考慮する必要がある。

 

 

 

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