立向上進溶接における開先ギャップ別の溶接条件とビード形状の一例を図1.14に示す。立向上進溶接では溶接電流が低いこともあり、開先ギャップの変動に対して鈍感であるため、開先ギャップの変動に対する溶接条件の適応制御は行わず、部材毎に想定される最大ギャップに対応できる溶接条件を選定する方式を採用している。図1.15は溶接線傾斜角度の変動に対する溶接ビード形状の一例を示したものである。溶接条件は傾斜無の場合と同一であるが、±30度の部材傾斜に対して良好な結果が得られている。この結果から本システムにおける立向上進溶接では部材傾斜に対する溶接条件の適応制御は行わないこととした。さらに、図1.16にカラープレート重ね部での溶接ビード形状の一例を示すが、立向隅肉溶接と同様に良好な結果が得られている。