溶接シーケンス制御の項目を以下に列挙する。
(A) トーチセット動作
(B) 溶接開始動作
(C) 手動溶接停止動作
(D) 自動溶接停止動作
(E) トーチ退避動作
(A) 図4.4にトーチセットシーケンスの動作概要を示す。オペレータが溶接ロボットの台車を溶接開始位置に移動させ、操作ペンダントの「トーチセット」ボタンを押すと、レーザセンサ揺動軸が自動的に開先を走査して中心位置を検出し、レーザセンサ・先行電極・後打電極の狙い位置が自動的にセットされる。また、各電極のトーチ高さも所定の位置にセットされる。これにより、溶接開始時のトーチの狙い位置調整作業が自動化される。
(B) 次に溶接開始シーケンスについて説明する。トーチセットシーケンス完了後、オペレータが操作ペンダントの「溶接開始」ボタンを押すと先行および後行電極によるタンデム溶接が自動的に開始される。図4.5に溶接開始シーケンスの標準動作の概要を示す。シールドガスのプリフロー終了後、まず先行電極の溶接が自動的に開始し、先行・後行電極間距離分だけ溶接が進行すると、後行電極も自動的に溶接を開始する。
(C) 溶接中に任意の位置でペンダントの「溶接停止」ボタンを押せば、溶接を停止することが出来る。図4.6に手動溶接停止の標準シーケンス動作の概要を示す。停止ボタンを押すと、まず先行電極が所定のクレータフィラ動作を行ったのちに溶接が停止する。後行電極はトーチが先行電極の停止位置に到達すると溶接が自動的に停止する。
(D) 本ロボットでは、溶接作業の無監視化を図るため自動的に溶接停止する機能も有している。
? 溶接ロボットが部材終端に到達した場合
? 溶接トーチが既設ビード上に到達した場合
? 溶接線の傾斜が適用範囲を超えた場合
にそれぞれ溶接が自動的に停止する。?から?の検出は、レーザセンサまたは傾斜センサにより行う。
(E) 卜一チ退避シーケンスは、センサ揺動軸、先行および後行のX,Y軸の合計5軸が設定された原点位置に移動する動作である。ロボットを移動する場合には、このトーチ退避動作を行うようにしている。