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(3) 溶接部の継ぎ手状況計測

SL21XとSL21Yブロックの溶接部の継ぎ手精度、仮付状況、を計測した結果。

板継ぎ溶接は面内仮付片面溶接(簡易自動)を適用しており、開先ギャップ精度は基準0mmに対して平均1.2mm、最大は4mmであった。隅肉溶接部のギャップについてSL21Xブロックの外板×ロンジでは平均2.26mm、外板×トランスで1.82mで最大は両者とも4mmであった。ロンジ×トランスは平均2.75mmと大きく部分的に最大9mmのギャップが発生している。一方、SL21Yブロックの外板×ロンジでは平均2.96mm、外板×トランスで2.92mmで最大は前者で10mm、後者で9mmである。ロンジ×トランスは平均3.29mmと大きく部分的に最大12mmのギャップが発生している。

これらの状況をまとめると、曲がりが大きくなるに従い発生ギャップは増加し、バラツキも大きくなる。又、精度順位も外板×トランス→外板×ロンジ→ロンジ×トランスになる。これは部材傾斜、曲がり等の組合せが多くなるためである。

これらの調査より開発装置の仕様標準はSL21Yを満足する必要がある。

次に仮付状況について、溶接方法は手溶接棒(TW-50 4φ)で仮付ピッチは平均300〜400mmで曲がりのきつい部分で小さくなる。これらのビード長さは70〜100mmで板継ぎ溶接の場合、深さ4mm前後で溶接し、グラインダーで2〜3mmに仕上げている。一方隅肉溶接部は脚長が4〜5mmであった。

(4) 工程別溶接作業時間の計測

各ブロックに於いて溶接にかかる作業時間を計測し工程別に分類、溶接長から現状能率を算出集計した結果(除く配材・取付け)

*CO2片面簡易自動溶接(板継ぎ)で5.3m/H

*CO2手溶接(隅肉全般)で3.9m/H

*グラビティ溶接(部分隅内)で26.1m/H

*CO2簡易自動溶接(部分隅内)で21.3m/H

*隅肉溶接全体で5.2m/H

曲がりブロック溶接能率は5.0m前後であるといえる。又、曲がり小ブロックは簡易自動溶接が50%程適用可能であるが曲がり大ブロックは20%程度となり後者は能率も悪い。

実船に於ける曲がりブロックの傾斜角度を全数オフセット表から調査した結果、縦、横傾斜とも20度であった。但し横傾斜で一部33度のものもあったが突発的なものである。同様、外板板厚については16.5〜19.Ommが大半で、最大は24mmであった。

溶接施工方法は、CO2手溶接が主流でグラビティ溶接CO2簡易自動溶接を部分的に適用している。又、溶接士は溶接条件一定で自分の勘と技量で溶接部に最適な速度、運棒を設定して溶接している。

4. 自動化開発条件のまとめ

 

現場観測結果から溶接の自動化開発条件を設定すると、ギャップのバラツキに対応出来、溶接能力600m/日・能率5.3m/H以上で縦横傾斜が最低20度以上を満足出来るものである。各溶接継ぎ手仕様はSL21Yブロックのような最大曲がりのもので設定する必要がある

 

 

 

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