り引当てて条件制御を行う方式を選定した。特にファジイロジックを用いたギャップ変化量の算出は「勘と技量」を反映した知能制御に当たる部分である。
? 市販溶接ロボットには無いリアルタイムに溶接条件制御が出来る最先端の溶接ロボット制御装置が開発できた。
(3) 溶接ロボットの製作
? 溶接ロボットは自走式と天吊り式を比較検討した結果、狭隘部と傾斜部への自走式適用は制限が大きいため天吊り式を選定した。
? 狭隘部への溶接トーチのアクセスは6軸の多関節ロボットへ旋回軸と横移動軸を追加した10軸のロボットに決定した。
? 溶接ロボットの位置決装置は実船ブロックを考えた適用実験材の関係から22mL×12mW×4mHの動作が可能な大型ガントリー方式とした。
(4) 自動溶接全体制御システム
? 上位CADよりブロック単位に形状情報と溶接線情報を取り出す部分のプログラムを製作した。
? ロボット運転プログラム自動生成方法は各溶接部分に応じて設定した動作と溶接条件パターンを利用して複数台ロボットの動作プログラムを生成する方法とした。又、この生成段階でロボットの干渉をチェック出来るロボットシミュレーターにより狭隘ブロックに対しても現場でのティーチング無しに溶接が可能となった。
(5) 実用性評価
小型溶接試験片を用いた傾斜隅肉溶接実験では開先ギャップ変化に応じて適性溶接条件が自動選択され、又、モックアップブロックでの溶接実験に於いても溶接ロボット全体システムとしての溶接動作が確認出来、満足の出来る溶接結果が得られた。結果から本溶接ロボットシステムは実船ブロックに対しても十分実用性があると評価する。