日本財団 図書館


088-1.gif

山口県下関の南風泊市場には、全国の天然トラフグの約80%、養殖トラフグの約50%が集荷されている。上記のグラフでは、平成7年の入荷が、天然・養殖とも増えているが、天然物については、外海フグ漁によるサバフグ、マフグ等の増加によるもので、トラフグ自体は年々減少している。一方、天然物については、1990年の2,895トンから、1996年には4,031トンへと、全国レベルでは生産量が急増している。このため、価格はやや下降気味となっているが、現在、トラフグを扱う飲食店は全国に2万軒程存在するといわれ、さらに、消費も関西中心から関東へと広がってきており、養殖魚としての将来性はまだまだ有望である。

 

養殖魚のシェアー

産地において、養殖魚がどのような商品形態で、どのような流通をするかについてまとめた統計はないが、農林水産省の漁業養殖業生産統計年報等の数値をもとに算出すると、おもに次のようになろう。平成7年の場合、養殖全体の生産量は国内総生産量の約18%である。これに輸入魚類約254万トンの存在を考慮すると、水産物の国内総供給量に占める海面養殖の割合は、およそ15%程度といえる。そのなかで、現在養殖の主力となっている魚種については、比較的に高いシェアーを確保している。

088-2.gif

また、農林水産省が平成7年に全国77の地区において、活魚および活シメ魚4万5千トンの出荷状況について調査した結果によると、調査対象とした19品目の合計では、養殖物の割合が約74%をしめている。魚種別には、ぶり90.7%、マダイ93.3%、ヒラメ81.7%、カンパチ94.6%、フグ類51.9%、シマアジ99.4%、ヒラマサ72.7%、マアジ58.1%、クルマエビ40.9% となっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION