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と孵化に成功した。孵化後の仔魚は今のところ十数日しか生存していないが、その後平成8年には農水省の生研機構等が中心となり「いらご研究所」が設立され、種苗開発に向けて本格的な調査研究が始まっている。

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世界のウナギ

世界には19種のウナギがいるが、そのうち2種類だけが大西洋に分布し、その他の17種はすべて太平洋(13種)とインド洋(6種)に分布している。このなかで食用として多く利用されているのは日本ウナギ(Anguilla japonica)とヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)であるが、その他にオーストラリア産のロングフィン(Anguilla reinhardtii)やショートフィン(Anguilla australis)もヨーロッパや香港等に食用として輸出されている。また、これら有用種の資源減少を補うために、アメリカウナギ(Anguilla rostrata)やインドウナギ(Anguilla bicolor)の開発が進められている。

 

世界のウナギ生産量はFAOの1991年統計では11万トン程度であったが、現在は約15万トンといわれている。国別では日本3万トン、台湾4万トン、中国6万トン、ヨーロッパ2万トン、マレーシア5千トンが主なところである。ヨーロッパではイタリア、フランス、デンマーク、ドイツ等の国で養殖生産を行っている。ほとんどが薫製加工され欧州圏内で消費される。台湾は真っ先に日本式の養殖法を取り入れ、1991年には6万トンの生産を上げたが、その後魚病の発生や、他の汚染、さらに土地や人件費高騰があって生産量は減少している。中国では江蘇省から広東省にかけて広範に養殖業が発展し、加工場だけでも最大44を教えるまで増加したが、シラス不足により現在は減少傾向にある。ほとんどが蒲焼きに加工処理されて日本に輸出される。最近は養殖技術が高まった

 

 

 

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