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ロ)成魚養殖 養成型式は4〜8m四方の生け簀網による小割生け簀方式が一般的。

平成7年度の全国タイ養殖漁家の平均生産量は37トン、一戸当たりの養殖施設面積1,276?であった。また、養殖魚1kg当たりの生産コストは1,385円、売値は1,397円となっている。

養殖の方法は、和歌山県の大手マダイ養殖漁家の例を見ると、概ね以下の様である。

生産量 300トン/年、出荷尾数30万尾、平均体重lkg(600gから1.3kgまで)

生け簀 50台(サイズ各種、小割方式)、水深7〜14m。

水温 16〜25℃

飼育  5月 種苗導入(サイズ5〜7cm、体重8g)、一辺7m、深さ6mの生け簀を二つに区切り、約6,000〜7,000尾を入れ、約2ヶ月養成する。

7月 選別・分養、1生け簀に7,000尾程度を目安にする。

翌年2月 平均体重300g

7月 平均体重500g、600gのものから一部出荷開始。

12月 平均体重1,000g、本格出荷。

餌 MP中心。最近はDPが増加している。増肉係数はMPで1.9、DPで1.5マダイの摂餌の特徴は、餌を争って短時間で飽食できない習性を持っていることで、したがって給餌回数を多くし、少量づつ長時間にわたって摂餌させる必要がある。また、毎日の連続給餌よりも週に一日休餌したほうが成長率が良い。

生残率 95%

色上げ マダイはその色調・姿・肉質により評価が大きく分かれる。特に明るく鮮やかな赤い色調が好まれるが、これは体表のアスタキサンチンという色素が黄色のカロチノイド類と1:1で併存して色調を出すためである。したがって、餌には30〜60ppmのアスタキサンチン添加が必要である。しかし、これを添加するだけでは濃厚な赤黒いレンガ色となってしまい明るい色調は出ない。原因は紫外線の影響により、マダイの体表にメラニン色素が蓄積し、体色が黒化してしまうためで、これを防止するためには

 

 

 

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