マダイ Pagrus major
Silver seabrem
生産量
天然物のマダイの年間漁獲量は、昭和25年〜35年には平均22,000トンであったが、その後漸減し、昭和59年には15,000トンとなり、現在は13,000トンから14,000トン程度で推移している。
一方、昭和40年頃に始まった養殖マダイの生産は、人工種苗の量産技術の発展に比例して急増し、平成6年には77,000トンと、全生産量の84%を占めるに至っている。
マダイ養殖の発展の原因には、人工種苗技術の進歩の他に、配合飼料の開発、高級魚嗜好の増大、品種改良による成長率の向上等が考えられる。
価格動向
養殖の現状
マダイの養殖生産地は、九州から近畿地方にかけて広範囲で行われている。
イ)種苗 マダイの種苗は、天然物種苗を採捕する方法と、養成親魚から採卵・孵化して得る方法があるが、近年、天然物の採捕は急速に減少し、1994年には種苗の100%が人工種苗によるものである。種苗生産は各地の栽培センターや漁協でも行われているが、民間の生産が主流を占め、熊本県の(株)拓洋やニチモウマリファームシステム(株)の様に、ひとつの企業で年間500万尾の稚魚を生産しているところもある。1993年度の全国種苗生産は、4,550万尾であった。