アダプター共通部の仕様検討時の基本的な要件とした。
5.3.2 既存システムとPMDBとのマッピング
アダプターの具体的なデータ交換仕様を検討するに際しては、各造船所CADモデルと拡張されたGPME FLとのマッピングが必要である。そこで、GPME FLと各造船所CADモデルとの対応関係をアンケート形式で調査した。
なお、艤装システムについては、4.4.2で述べた「艤装に関する属性データの調査」アンケートの結果を利用した。これらのアンケート結果を5.3.4で述べるアダプターの「共通部仕様」の策定に反映した。アンケート結果の概要は以下の通りである。
(1) 船殻システム
・ 部品情報では、既存CADとGPME FLはほぼ情報内容が対応している
・ 部材情報では、明示的に対応するクラスを持つ既存CADはないが、既存CADが保持する部品情報からの演算によってGPME FLに対応する情報を生成することは可能である
・ 関係情報についても、FLと1対1に対応する情報を明示的に持つCADは少ないが、演算によってほぼ生成可能である
・ ブロック境界面に関する情報を保持できる既存CADはほとんどない
全体的に、GPME FLと既存船殻CADモデルとでは、必ずしも1対1に対応する情報は多くはないが、構造モデルの基本的表現方法に関する考え方が全く異なることはなく、演算処理による情報生成を行うことにより、相当範囲の情報は交換できるものと予想される。
(2) 艤装システム
・既存システムで表現されている艤装分野については各社の共通の属性項目が多い。従って、GPME FLを幅方向に拡張すれば各社の既存CADの種類に依存せずデータ交換が可能である
・ 管装置等については、GPME FLと1対1に対応する属性が多いので、属性に関しては情報の変換部の開発負荷は比較的少ないと予想される
・ 交通、通風、電気装置などの艤装品の属性に関しては、管と比較すると各社に共通な属性種類は少ない。これらは現在のGPME FLには表現されていないので、データ交換の可能性は艤装FLの拡張範囲に依存する。
4.4で述べたように艤装FLは幅広く表現できるように拡張する予定であり、全体として艤装システムについても、属性情報に関してはかなりの範囲のデータ交換が可能と考えられる。