(e) バージョン管理
設計進捗や戦略の違いによる分割案(デザインオプション)を一元的に管理する。
(f) 他システムとの連携
他システムとの連携についてはワークフロー的な観点から様々なものが想定される。
(ア) 日程計画システムとの連携
2次フェーズで算出した溶接長などの管理物量を反映させる。
(イ) 関係部署とのタイムリーな情報交換のための機能
基本設計へ第1次フェーズでの要求をフィードバックできる機能。
今回開発のアプリケーションは幾何エディターである。自動的に分割の最適解(分割の最適解や一般解というものは存在しない)を割り出してくれるものではなく、設計者の判断をサポートするものである。主な機能は管理物量の算出と継手配置支援である。今後はもっと知的な機能について検討していく必要がある。
5.2.2 工程設計アプリケーション
(1) 運用シナリオ
工程設計の運用について設計し、その結果、3つのフェーズに分類した。
1次工程設計の目的は、製品設計の途中の段階で組立要領の骨子を決定することである。船殻では、おおまかな製造の管理単位が決定され、鋼材発注はその単位で管理される。艤装では、船殻と併せて取付ける場所が決定されるので、艤装品納期がここで決定される。
2次工程設計フェーズでは、製品設計が概ね確定(完了)した段階で、一品まで包含した中間製品が設計される。この中間製品から、殻艤一体も可能な任意の部品表を生成することができる。実運用上では施工開始の数週間前に相当し、製品設計の改正も皆無ではないので、その都度、中間製品は更新されることになる。
3次工程設計フェーズでは、施工開始数日前で、製品設計の改正はないことを運用上で取り決める。ここで生成されるのは、配材、取付け、溶接の手順や方向、足場ピース計画などの作業指示レベルの情報である。
各フェーズの工程設計の運用イメージを図5.2-7に示す。
(2) システム構成
工程設計アプリケーションを中心としたシステム構成を図5.2-8に示す。1次と2次の工程設計は、自動設計モジュール、部品ツリーによる対話設計モジュール、幾何表示による対話設計モジュールの3つで構成される。
アプリケーション内に中間ファイルを持つかどうかは、システムの開発環境などに依存するが、本図ではそれを持つことを想定している。また、PMの物理的構成は作業指示レベル