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(2) 初期生産設計の評価項目

初期生産設計の3つのフェーズのそれぞれで、様々な検討を繰り返し船体をブロックに分割していくが、検討は線図や中央断面図などの基本設計図や工場設備制約などから読み取った情報を基にブロックの妥当性について行われる。この妥当性とは効率よく建造できるものに構造が分割されているかということに尽き、評価の内容はタンカーやコンテナ一船などの船種、船首や船尾などの区画、そして、線図や中央断面図などの基本設計図の完成度によって変わるものである。評価すべき項目には定性的と定量的なものがあり、設計者はそれらの関連を色々な角度から検討しながら作業を進めていく。評価項目の関係は複雑で、これを系統的に整理するのは困難であるが、システム的な立場から以下の6つに大別した。

(a) 作業性

作り易さや難易度などの定性的なものが中心である。背景には溶接長や部品数などの定量的なものもあるが、大半が数値化が困難なもので高度な知的判断が必要な部分である。

(b) 資源

設備仕様として表現される定量的なものが中心であり、適用する設備の選択には複数解があるので定性的な判断も要する。

(c) 材料

鋼材重量や歩留まり率などの定量的なもので、数値による判断が可能なものである。しかし、その目標数値の背景には製造技術や戦略などがあり、現実にはより奥が深いものであるとの認識も必要である。

(d) 精度

ブロックの精度は加工過程や組立手順に影響される。ブロックの精度は吊り上げや反転作業などで発生する歪みによって低下する。現在、この精度は数値化されておらず、人が精度保持可能な組立手順を想定して判断を下している。

(e) 艤装品制約

艤装品配置はブロック継手配置に最も大きな影響を与える条件の一つである。しかし、設計の初期段階では配置が決定されていない艤装品もあり、現状は、実際にはないものを想定し統計的推量などの知的判断を加えながら検討していくエキスパートの業である。

(f) 環境変化

ブロック搭載順序などの定性的なものである。建造方針や施工場所などの環境変化による影響を受けるので、柔軟に計画変更ができるものであることが必要がある。

初期生産設計の評価項目を表5.2-2に示す。

(3) 機能要件の整理

運用シナリオと初期生産設計の評価項目を基に、3年後の実装を想定してアプリケーショ

 

 

 

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