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・過去の実績なども参照して評価が行えること

・工場設備など制約条件の参照が容易に行えること

・試行錯誤を繰り返した後、任意の定義時点に戻れること

・任意の製品設計の過程で物量集計が可能であること

(c) 複数の設計者による協業支援

初期生産設計では、構造計画、艤装計画、そして生産計画の複数の設計者が、いろいろな観点から最適性を追求する。この業務の特性を踏まえて、システム技術的には複数のアプリケーションを通した協調設計が人間の思考過程に沿って効率的に実現できることが重要である。このためには以下の機能が必要である。

・常に最新の設計情報の下でブロック分割が試行できること。また、データ入力や、データの変更に伴う変更作業の負荷を極力小さくすること

・山積システムや日程システムなどと連携して、設備や施工場所の負荷が参照できること

・設計工程管理ができること

(2) GPME FLの仕様

GPMEでは、ブロック分割アプリケーションをGPMEの機能検証用アプリケーションとして開発したため、ブロック、ブロック分割面、分割線を表現するクラスや、管理物量計算、あるいは中間製品を生成するためのメソッドなど、初期生産設計に必要な基本的なFLは実装され、機能が検証されている。

GPME FLには以下の基本機能が実装されている。

・分割面と分割線でトリムされた範囲を、ブロックとして表現する機能

・設定されたブロック分割面に従って、部品を生成する機能

・管理物量として、ブロック重量、溶接線長、部品数及び表面積を算出する機能

・また、幾何情報としてブロックの形状、重心を計算する機能

・幾何処理を介して各部材の所属ブロックを認識し、部品に継承する機能

そして、初期生産設計アプリケーションとして実業務に適用するためには、更に以下の課題を解決する必要がある。

・初期生産設計の意図は分割面どうし、あるいは分割面と部材との関係情報として表現される。設計変更や修正をする場合には、これらの関係情報を再利用して、余分なチェックや、同じ作業の繰り返しを低減することが必要

・セクションメンバー及びフェースメンバーの部材には分割線が生成されないので、継手シフトの表現や溶接長算出の更なる精度向上が望まれる

・(1)で述べたが、初期生産設計は試行錯誤が繰り返される業務であり、複数案を同時並行で検討したり、ある検討フェーズへのバックトラックが発生する。GPME FLは、これ

 

 

 

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