日本財団 図書館


4.3.2 詳細構造の表現方法

(1) 拡張方針

既に触れたように、GPMEの構造設計FLは大きく区画壁(Boundary)、部材(Structural Member)と部品(Structural Parts)に分けられる。詳細構造は部材の拡張と考えるのが一般的であるが、GPMEでは「部材で情報を定義し、形状生成メソッドで部品を作成する。部品では結果を取り出すだけとして部品を直接追加したり変更したりできない」という考え方でFLが構築されているため、詳細構造を部品だけで表現する場合は、部品クラスの大幅な変更が必要となる。本開発研究では基本的にはGPME FLを踏襲することとして拡張を行う。ここで、GPME構造設計FLにおける船殻構造表現方法は、基本的に属性を基にしたモデル表現がなされている。ただし、完全に属性のみではなく属性に対応する形状を得ることもできる。そのため、船殻詳細形状の表現に関しては、設計初期は属性を主体とした表現を考え、設計を進めるとともに詳細な形状情報を表現することとした。また、詳細構造の形状はパターン化されているので、4.3.3で述べるように詳細構造パターンとして表現することとする。

(2) クラス構成概要

詳細構造としては様々な構造が考えられるため、詳細構造をまとめて表現することは難しい。そこで、拡張方法として以下の3つに分けて考えることにする。

・クラスから拡張して表現するもの

・既存クラスの表現の詳細度を増すもの

・既存クラスとして表現するが、生成方法を拡張するもの

また、詳細構造自身の形状は詳細構造パターンクラスとして保持する。詳細は4.3.3で述べるが、このクラスは、詳細構造自身の形状を表現するパターンとパラメータから構成される。ただし、実際に個々のインスタンスによって異なる情報は詳細構造を表現するクラスで保持する。以下に各種類ごとのクラス構成例を示す。

(a) クラスから拡張して表現するもの

ここでは例として穴について示す。図4.3-2に穴(ホール)の例を示すが、一般的に穴の配置位置は他の部材などからの相対表現で定義され、穴自身の形状についてはあるパターンから選択される。そこで、配置情報や属性情報などの個々のインスタンスによって異なる情報を保持する穴クラスと、穴自身の形状パターンを保持する詳細構造パターンクラスとに分けて表現する。穴クラスについての概略OMT図を図4.3-3に示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION