図において、例えばProcess Definition Aが「新規設備導入プロセス」を表現しているとし、1st Process Instanceが「A社員用パソコン導入」を表現し、Activity Dが「部長の承認」を表現し、Work List 1に対応した人が「B部長」とする。
ここで、Work Item 1(これはB部長のA社員用パソコン導入に対する承認という仕事を示す)が実行可能ではあるが完了していない場合、A社員用パソコン導入についてはB部長の承認を得るまでの準備はできているが、B部長はまだ承認を与えていない」ことになる。
以上のように、WfMCで想定しているワークフローモデルは一般的なものであり、IDEF3などによるプロセス記述結果との親和性はよいと考えられる。
3.3.3 ワークフロー管理システム製品の調査
現在、ビジネスプロセスリエンジニアリングの効率化を支援するツールとして注目されている、ワークフロー管理システム製品について現状の機能の調査を行った。なお、この調査は平成9年7月現在のものである。
(1) 調査対象
現在、非常に多くのワークフロー管理ツール製品が市販されている。全ての製品について同様なレベルの調査を行うことが望ましいが、調査期間の制約から詳細な調査はInConcertとVisual Workfloの2つの製品について行った。これらを選択した第1の理由は、雑誌特集記事等の予備調査から、それらの製品はグループウェアなどのアドオンソフトウェアではなく、内部にモデルの情報を持ち、独自のエンジンによりワークフローを管理することを目的としたものであると考えられたからである。第2の理由は主要なプラットフォームで稼動することであり、本開発研究での運用実験ではSun SolarisとWindows NTや95上で稼動することが必要であるからである。また、その成果を受けて、造船各社で開発するアプリケーションの稼動プラットフォームとしては特定のベンダーに依存しない商品であることが必要である。
(2) 調査項目
以下の項目について調査を行った。
(a) プロセス定義ツール
業務プロセスを構成するアクティビティや、それらの関連を定義するために開発者を支援するツールについてまとめる。
(b) プロセス監視・管理ツール
現在実行中のプロセスの状態の管理や、実行結果の分析を行うために管理者を支援するツールについてまとめる。