めの標準
(2) WfMCワークフローモデルの概要
WfMCのドキュメントWfMC-TC-1011 Terminology & GlossaryはWfMCの仕様の記述で用いられる各種用語を定義している。これに基づいて、代表的ないくつかの要素の説明を行い、WfMCが想定しているワークフローモデルの概要を示す。
なお、このモデルはWfMCが標準化のために定義したもので、例えば共通APIの仕様を規定するためのものであり、その物理的な実装を規定したものではない。従って、例えばこれらの情報がデータベースに保持されていてもよいし、極端な場合、(WfMC準拠のAPIにより正しい操作ができれば)API呼び出し時に他の情報から生成されてもよい。
(a) Process Definition
ワークフロー管理システムにおいて、管理の対象とするビジネスプロセスを表現するものである。アクティビティとその間の関係、プロセスを開始し終了させるための評価基準、関係する人やアプリケーションの情報から成る。
(b) Activity
プロセス内の一つの仕事を表現するものである。ワークフロー管理の対象となる Automated Activity と、対象とならない Manual Activity(例えばプロセスのモデリングを行う)に分類されるが、単にアクティビティというような場合はAutomated Activityを指す。Automated Activityはその実行のために人あるいはシステムなどの資源を要求する。
(c) Process Instance
実際に遂行される具体的なプロセスを表現するものである。個々のProcess Instanceは独自の内部状態を持ち、独立して実行される。これはProcess Definitionに沿って、ワークフロー管理システムによって生成、管理され、(時には)終了させられる。
(d) Activity Instance
ある Process Instance内で実際に実行される具体的な一つの仕事を表現するものである。これはProcess Definitionに沿って、Process Instance内で要求された時にワークフロー管理システムによって生成され、管理される。
(e) Workflow Participant
アクティビティとして表現される仕事を実行するための資源を表現するものである。実行すべき仕事は、通常Work Listを通してWorkflow Participantに関係付けられた一つあるいは複数のWork Itemとして明示される。
Workflow Participantは、通常人であるが、知的なエージェントのようなマシンベースの資源であってもよい。