イアントで行っていた処理をあえて同じGFサーバープロセスを利用する複数のクライアント群に分解し、これを複数プラットフォームと言語に分散させるなどの、これまでにない新たなGPME PMの利用形態も実現できることになる。
(5) 動的活性化により起動されたサーバーの権限
CORBAの仕様では、活性化モードが共有サーバー、非共有サーバー、メソッドごとのサーバーであるサーバープログラムは、クライアントからのリクエストに応じてORBが自動的にサーバープログラムを立ち上げる。このとき、そのサーバープログラムをどのような権限で立ち上げるかについてはCORBA製品の実装に依存している。
これは、サーバープログラムをユーザーの権限が重要なUNIXのようなOS上に提供する場合は注意が必要であり、特に、Windows95のようなユーザの概念のないOS上のクライアントからサービスを利用する場合には注意する必要がある。例えば、今回のミニプロトタイプで利用したOrbixでは、設定によってはWindows95からのリクエストによって起動されたUNIX上のサーバープログラムのオーナーはnobodyとなることがあり、サーバープログラムが読み書きするファイルなどの権限に対して注意を要した。
(6) まとめ
今回のプロトタイプ開発の実施により、ACIMリファレンスアーキテクチャが既存のソフトウェア技術によって基本的には実現可能であることが確認できた。また、もう一方の目的でもあった開発専任チーム内での技術の蓄積の面では、前述のような実装上の留意点を知ることができた。これらは、Orbixに限らず他のCORBA製品を使用した開発にも有用なものであり、今後のシステム開発に非常に役立つものと考えられる。