以下に示す性質を持つとされる。
? 代理機能:エージェントは、ユーザーが陽に下した認証に基づいて、そのユーザー(あるいは他エージェント)のために委託されたタスク群を遂行する。
? 通信機能:エージェントは、タスクの委譲命令を受けたり、タスクの状態や完了を通知するために、エージェント・ユーザー間インタフェースやエージェント通信言語を用いて対話できる必要がある。
? 自律性:エージェントは、直接の干渉なしに(つまり、例えばバックグラウンドで)ユーザーから委譲された特定の範囲で処理を行う。エージェントの自律性という属性は、毎夜のバックアップからユーザーのために最適な商品の価格の交渉ということにまでわたる。
? 監視:エージェントは、タスクを自律的に行えるように環境を監視できなければならない。
? 環境への影響力:エージェントは、自律的に機能することを目的とした動作機構を介して、環境に影響を与えることができなければならない。
? 知性:エージェントは、自律的に機能することを目的とした適切な動作決定を行うために、監視した事象を解釈できなければならない。更に、エージェントの中には次に述べる属性を有するものもある。
? コミュニティの形成:多数のエージェントが一つのプロセスを実行後に終了するという「ワンショット」計算ではなく、多くのプロセスを継続的に走らせ続ける必要がある。
? 性格:エージェントの中には個性と興味とを持つものがある。
? 適応性:エージェントの中には以前の経験に基づいて、ユーザーの好みに沿って自身を自律的にカスタマイズするものもある。これらのエージェントはまた、環境にも自律的に適応する。
? 可動性:エージェントの中には、マシン間、異なるシステムやプラットフォーム間を移動できなければならないものもある。
上に示したように、通信というのはエージェントの重要な属性である。エージェントの自律性を保つために、エージェントは効果的な通信言語機構を用いて他者と通信できなければならない。そのような機構は通例3つのコンポーネントを持っている。それは特定のドメインにおいて概念及び概念の間の関連を定義するオントロジ、ドメインに関する情報や知識を表現するのに用いられる言語、情報や知識を運ぶためのプロトコルである。オントロジは通常ドメインに従属である。例えば、平成5年度の造船業CIMに関する開発研究で検討された造船業CIMフレームモデルは、造船業ドメインの概念とそれらの関連とをとらえたオントロジである。通信言語及びプロトコルとしては、2.3.2で述べたKIF及びKQMLがそれぞれ広く用いられている。