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4.3.2機関室MO仕様によるワンマンオペレーション

(1) アラームの発生状況と内容

内航船近代化実証船における機関室機器は船橋で運転および監視できるよう設計された。すなわち、航海中であれば原則として機関士は船橋におり、機関室モニタにより主機等の運転状況を監視することになる。

ここでは、機関室モニタシステムによる記録からアラームの発生状況を集計した。

集計対象期間は平成9年2月1日から平成10年2月18日までの約1年間であるが、船用ログブックに記載された出入港(抜錨・投錨)時刻に基き航海時間を抽出し、航海時間内に発生したアラームのみを集計した。なお、このとき機器の運転開始等を通知するものは除外した。

各グラフの横軸は経過月を、縦軸は各航海中の各1時間毎に発生したアラームの数を表す(回/時間)。

平成9年2月からの1年間にわたり、アラームの発生回数が多いものを、番号?、番号?および番号?とした(図4-3-2)。

 

番号?

平成9年4月25日10時20分頃、津港発福山港向け備讃瀬戸東航路を西航中

ALCポテンショメータが船体振動のために断線し、CPPのピッチ角異常となった。

<原因と対策>

振動対策が十分でないポテンショメータであったため、初期の船体振動によって断線する時期が早まった。振動対策を施したポテンショメータに換装した。

 

番号?

平成9年12月7日05時頃、福山港発川崎港向け浦賀水道航路を北航中 および

平成9年12月21日15時〜17時頃、川崎港発津港向け、中ノ瀬西を南航中

主機シリンダ注油ノンフローとなった。

<原因と対策>

シリンダ注油器の動作に異常が認められた。平成10年2月のドック時に交換したものの、引き続き発生しており現在調査中である。

 

番号?

平成10年1月20日16時頃、川崎港発津港向け遠州灘を西航中

電圧関係のアラームが発生した

<原因と対策>

発電機ボルテージレギュレータ(AVR)の故障であり、部品交換等により復旧した。

 

 

 

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