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内航船近代化のための実証試験事業報告書

 事業名 内航船近代化のための実証試験
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


4.2.3 アクチュエータシステムに対する運航員の所見等

ジョイスティック訓練での運航員のヒアリング等から以下の事項が明らかになった。

 

?運航者はジョイスティックレバーの操作に関連して各アクチュエータ(主機:CPP・舵・バウスラスタ)の状態を逐一把握しておきたい。

 

・船体制御は各アクチュエータの出す力のバランスを調整することであり、従来の方法であれば、操船者が出力のバランスを考慮して、個々にアクチュエータの制御していた。一方、ジョイスティックレバーの操作では、各アクチュエータの出力状況が分からない(一種のブラックボックスとなっている)ため、操船者の出力バランスの感覚へフィードバックされる情報が無く、不安感が生じる。

 

・操船者の常として、万が一の状況を想定している。もしアクチュエータの一部に不都合が生じた場合には、操縦モードを切り替えて個別に制御しなければならず、現在の状態を把握してなければ、誤った対応をとる危険性がある。

 

・対応策として、各アクチュエータの出力表示(インディケータ)の付加、ならびにジョイスティックのレバー角度と出力の関係の明示が考えられる。

 

?係留索・錨を利用した着離岸操船方法

着岸時には、船首の係留索(スプリング)を先にとり、この係留索を巻き取る力によって船首を岸壁に寄せる操船方法がとられる。(場合によっては、岸壁の反対舷に錨を落とし、錨鎖の張力とでバランスをとり、船首の岸壁への接近を調整することもある。)

離岸時には、船首の係留索(スプリング)を1本だけ残し、これを支点として船尾を振り出す操船方法がとられる。(錨が落とされている場合は、錨鎖を巻き取ることによって、船首を船尾と同時に岸壁から離す。)

 

・従来の操船方法ではアクチュエータだけではなく、係留索や錨(錨鎖)をも出力バランスの考慮事項とされている。現在のアクチュエータシステムは、これらの補助手段と運用方法を考慮していない。

 

・従来の着離岸方法をベースにして、ジョイスティック操船を適用する操船方法案を検討・策定した。図4-2-9にジョイスティックを利用した着離岸操船(イメージ)を示す。

 

 

 

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