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2.2.2 統合操船システム

(1) 設計方針

本事業が目指す内航近代化実証船では、港内、狭水道、輻輳海域を含めてブリッジ内でワンマン運航が可能なシステムを目標としている。また、支援システムと人間の相補的分担により、永年の経験が必要な操船者の熟練に過度に依存しないで的確な操船が可能で、従来以上の安全性が確保されることを目標とする。

 

(2) 統合操船システムの機能

航海当直中の作業を一人で的確かつ容易に行うことができるように、コックピット式コンソールを採用し、定位置で必要な情報の入手と操作が可能な配置とした。

統合操船システムの機器構成品を表2-1-4に、ブロック図を図2-1-4に示す。また、航海船橋甲板配置図を図2-1-5に示す。

? ブリッジレイアウト

定位置における情報収集

○航海用レーダー(主および補助)

21インチCRTに250mmの有効直径を有し、レーダーの他に以下の機能を有す。

ア) ARPA機能(追尾数20ターゲット)

イ) エコーテイル機能

○電子海図装置(ECDIS)

GPSあるいはDGPSによる自船位置、船首方位、自船運動ベクトルが電子海図上に表示され、更に以下の機能を有する。

ア) レーダ映像を重畳

イ) ARPA情報表示

ウ) 航路計画機能

計画航路の呼び出し、入力、修正機能。ルートトラッキングはこの航路に対して行われる。

エ) 航路監視機能(座礁予防機能)

あらかじめ設定した避険水深領域に進入した場合に警報を発する。

オ) 避航支援機能

避航の際の意思決定を支援するための情報を表示する。

○航海情報表示装置

21インチCRTに以下の情報を表示する。

ア) 船体運動情報(船首方位、旋回角速度、対地速力、対水速力)

イ) アクチュエータ操作量(舵角、CPP翼角、主機回転数、バウスラスタ回転数)

ウ) 自然環境(風向、風速、水深)

エ) 警報一覧

 

 

 

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