4.5.2 海上風の設定
予測計算を行う際には海上風を設定する必要がある。本システムを用いて対馬海峡での予測を行う場合には若宮灯台での観測風を用い、入手出来ない場合には地域気象観測所である厳原の観測風を代用することとしている。
実際の災害発生時には将来の風は入力不可能なため、通常は現在の風が変わらずに吹き続ける等の仮定のもとに計算を行う。将来の風を設定する方法のひとつに気象庁が配信するGPV(Grid Point Value)データを利用する方法がある。このデータは毎日9時、21時における観測風を初期値として51時間後までを計算したものである。
GPVデータの使用可能性も考慮し、予測計算には図4-13に示した上記3種類の風データ(若宮灯台、厳原、GPV)を用いた。GPVデータは粒子投入位置に最も近いメッシュ値を取り出し、9時、21時のデータは初期値(観測値)を与え、その間の12時間は最新の予報値を与え、時系列データとして編集した。