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穴洗浄法

穴洗浄法が当地で今回初めて玉石の浄化に使用された。50〜100tの粗材が入る大きな穴を掘り、大きな荷重に耐えるプラスチックのライナーで内張りしたが、実際には破損の危険を低減させるために二枚のライナーの間に砂を詰めたものを使用した。玉石を入れ、高圧の水とグリース除去剤(De-solvit)で洗浄した。その後表面から油を汲み取り、洗浄された玉石を海浜に戻した。

時には、廃棄物運搬用の大型容器を埋めて、穴として使用した(例えば、テルピン地区、グレンビーチ)。

 

汀段移動と磯波洗浄法(AEA法)

ティム・ルネル博士の説明による。

 

玉砂利

玉砂利は玉石と同じように油の浸透と車両移動の問題を生ずる。通常油は機械によって汲み取られていたが、アクセスが困難な海浜では油は手作業用の用具によって回収され、ショベルで袋に入れられた。

4種類の特殊な方法、及び即ち玉石用の磯波洗浄法、石洗浄法、トラクターのまぐわかけ法、生物修復法が使用された。

石洗浄法は宝石の研磨に使用される方法を真似たものである。幾つかの海浜に洗浄基地を設置し、そこで油の付着した粗材を海水及びグリース除去剤と共にセメント・ミキサー車に投入した。玉石が互いに摩擦することによって油が剥離し、全体が分離される。セメント・ミキサーを使用する利点は、油を含んだ排出水を水密容器に入れ、その表面から回収装置を使用して油を回収することができる点である。洗浄速度は1時間当たり6t程度である。

トラクターのまぐわかけ法は農業用のトラクターを使用し、海浜粗材を深く掘り起こすことによって、油を表層に露出させ、そこで自然に分散させる。この方法の場合には、あまりに大量の油を露出させて生態上の問題及び油の再流出を引き起こさないように注意しなければならない。この方法を使った所では、環境グループと十分協議した後に実行に移された。

 

生物修復

ティム・ルネル博士の説明による。

 

玉石や玉砂利と同様、軟らかい砂の海浜は車両の移動性や海浜への油の浸入増大に問題を生ずる。これは、油の洗浄のために除去しなければならない海浜粗材の量を増加させることになる。侵食を最低限に抑えるために汚染されやすい海浜から除去される砂の量を監視することが重要であった。流動性のある油は削り取り、溝に洗い流し込んだ。

油の付着した砂はショベルで掘り起こし、後で処分した。乾いた砂の海浜の浄化後に残留する油は、直径50mm程度までの団塊、即ち油と砂のタール・ボールになり、これは手作業で回収するしかなかった。トラクターのまぐわかけも行われた。

 

 

 

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