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まず、この南北貫通道について私たちが一番描いている構想は、1つ目に、国道1号線で予想される洪水による交通の渋滞を避けること、2つ目には、国道1号線で考えられる交通飽和を避けること、国道1号線がグレードアップされた暁には、部分的には8,000ないし1万台からの交通量が考えられるので、これを避けるための方策です。

また、もう一つの目標は、国道上の生産地の開拓をもう一度見直し、生産分布を見直したいということがあります。つまり、ヴィエトナムの西部はいまだあまり開拓されていませんので、その辺を考慮に入れたわけです。この道路の規模は、まず最初の段階では2車線です。その後、大きな発展が見込まれる地区は、4ないし6車線に拡大します。2番目に南北貫通鉄道です。現状は、先ほど申し上げました。今後は、まず初めの段階で、国家水準に見合うようなリハビリテーションを行います。第2段階で、ASEAN各国のスタンダードにまで引き上げます。もちろん、まず最初は必要なところから始めますが、長期的には複線化を図りたいと考えています。

以上がヴィエトナムを縦断する道路、鉄道ですけが、続いて横断するルートについてお話しします。

まず、横断するルートは、鉄道網がヴィエトナム横断網に深くかかわっています。これはアジア貫通鉄道といい、シンガポールから始まって、最終地点は中国の昆明です。シンガポールからタイのバンコクまでは1本しかありません。しかし、この上のほうの各国になりますと、4ないし5本の鉄道網があります。それを西部、中部、東部と見ることもできます。ヴィエトナムにかかわるルートは、バンコクから始まり、ボンベイ、それからプノンペン、ホーチミン、ハノイ、最終的には中国の昆明に抜けるルートです。マレーシアのエキスパートの顧問の方々は何回もヴィエトナムに来て、この問題について研究を重ねています。このルートを使えば、現在あるインフラストラクチャーを最大限に使い、また、最小限の経費で済むことが考えられます。また、このメーンのルートのほかにはサブのルートとして、ラオスからヴィエトナムに来るルートがあります。これによって、ラオスを援助するということも可能になります。このアジア貫通鉄道が成功した暁には、ヴィエトナムは早期に鉄道のスタンダードを引き上げることができます。そのことによって、鉄道を使用する旅客貨物の量も増えることになって、ヴィエトナムは元気を取り戻すでしょう。昨日先生のお話の中でヴィエトナムは今、鉄道は元気がないというお話がありましたが、元気を取り戻すことができると思います。

この地図にアジア貫通ルートが載っています。ESCAPのエキスパートの方々の研究では、方向としてはこのアジア貫通鉄道はバンコクからプノンペンに渡り、リンサン、ハノイ、そしてハイフォンのほうに抜けるルートがあります。もちろん、私たちはこれで異存はないわけですが、もしできれば提案として、アジア貫通ですので、これで終わるのではなく、中国の領土にまで続けたい。つまりハノイからランソンを

 

 

 

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