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で図面を見ていただきます。タイは、バンコクの新しい空港の計画が着々と進んでいます。マレーシアは、クアラルンプールに新空港がつくられるということで、これも計画が着々と進んでいます。シンガポールの空港、チャンギ空港は、もうつくられていますが、拡張がどんどん進んでいます。8月にシンガポールの航空当局に聞いた話では、航空旅客ターミナルビルをもう一つつくるということです。今、シンガポールのチャンギ空港は、年間旅客約2,000万人を扱っていますが、非常に混んでいます。もう一つ旅客ターミナルビルを増やすと、年間4,000万人まで処理できることになるそうです。これからおわかりになりますように、ヴィエトナムの近隣諸国、東アジアの国々では、国際空港を大規模に整理するという動きが着々と進んでいます。

アジアの主要な空港について、もう少し細かく現状と計画を資料が集まった範囲で表-1に整理してあります。韓国、台湾、香港、フィリピンのマニラ、タイのバンコク、マレーシアのクアラルンプール、シンガポール、ジャカルタ、北京は表に詳しく載っていますので、後で必要なところはよく見ていただければと思います。ただ、データは昨年度いろいろな方法で集めましたが、100%そのとおりではなく、わからないところはブランクにしてあります。

表-2は、日本を除くアジアの大きな国際空港の計画について整理してあります。

一番完成間近の大規模空港になっている香港の新空港について、説明します。新空港は、現在の啓徳空港から大体40キロぐらい西のこのチェックラップコックという地区につくられています。この空港の完成にあわせて、高速道路と鉄道が整備されています。かなり空港はでき上がりつつあります。

今年の4月の航空写真がありますが、それを見ると、造成部分はほとんど全部でき上がっています。今週の半ばに香港に行ったときにヒヤリングしたんですが、完成は来年の6月、そのときには鉄道も道路も含めて空港が開港するということです。空港整備にあわせて、高速道路と鉄道をつくっている例です。

結論は、昨日の稲村教授の話にありましたが、当面重要なのは道路と港湾の整備になります。ただし、将来の情報産業社会への発展あるいは観光収入増大あるいは人の行き来を増やして国の地位を高めるためには、近隣諸国同様に空港の整備、今ある空港をさらに拡張する、あるいはターミナルビルを大きくしていくということが必要と思います。

現在ヴィエトナムの飛行場の問題点は、旅客の取り扱いは、皆様方ご存じのとおりだと思いますが、ここに、日本の企業に聞いた航空貨物を取り扱う際に改善してほしいソフトな点が書いてあります。

例えば、飛行機の機材が古いとか便数が少ないとか、大きな飛行機が少ないとかいう点がまず指摘されています。それから、これは特にソフトな点ですが、通関に非常に長い時間がかかる、あるいは通関の手続が非常に複雑でいろいろな問題が起きるということが指摘されています。3番目は、空港の施設についてですが、特に倉庫とか、冷蔵、冷凍関係の施設をつくってほしいという要望も寄せられています。

以上、私の報告は今申し上げたとおりです。東アジアの近隣諸国は、空港整備が急ピッチで進めています。ヴィエトナムにおいても、長期的な視点から、空港の整備を進めて、航空路線網を拡充していくことが非常に重要なことではないかと考えております。

以上で、私の報告を終わらせていただきます。

 

 

 

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