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私どもも便利なフェリーが伸びればもっと輸送時間も、場合によってはコストも短縮されて望ましいのではないかと考えますが、ただ、イギリスの場合と違って、長距離です。半島の場合は別ですが、中国大陸となると長距離であることや、大陸との間で交通のルールや車の規制という点で落差が大きい。もっといろいろな面が違うかもしれません。そういうハンディもあるような気もします。いずれにしても、そういう問題を含みながら、何をしていけば大陸との間のフェリーが実現するか、アドバイスをいただければと思います。

(講師)

最初の運賃の規制の件ですが、インタビュー先でやはり非常に大きなディスカウントをしているというお話を聞きました。逆に私たちは、そんなにたくさんのディスカウントをするのであれば、なぜ価格規制が必要なのか疑問に思いました。キャパシティーの規制に関しても、環境的な観点から見てトラックよりフェリーの方が断然優れているわけですから、沿岸輸送フェリーのキャパシティー規制の撤廃の方に動いているというのは私としても喜ばしいと思います。

ユーラシア大陸マーケットの件ですが、ご指摘のとおりいろいろ障壁はあると思いますが、実際、日本から中国、日本から韓国、日本からロシアというルートが、まだまだ始まったばかりではありますが、既にあります。日本と大陸との距離についても、フェリーの運航範囲内(1日で行ける距離)に入っているのではないかと思います。

つけ加えさせていただきますと、コンテナ輸送については日英ともに高どまりの状況に入ってきていると思いますが、フェリーについてはイギリスでは非常に伸びています。日本ではフェリー産業はそのような伸びを見せていないと思います。

(質問)

ドーバー海峡トンネルがフェリー産業に与えた影響と、あのトンネルは余り使われていないと聞いているので、その理由を教えてください。

(ベアード)

時間が余りないですが、非常に大きな問題です。開通の当初はフェリーの市場の15%を持っていかれました。航空旅客も、フィーダー・コンテナも持っていかれました。トンネルの影響はフェリーだけではなく、ほかの業界にも波及しています。影響がどういう形で出たかというと、一律料金値下げの形であらわれました。今後もフェリー産業はトンネルのおかげで苦労するのではないかと思います。運賃を下げるダンピング競争が始まってしまっている状況ですので、政府は、過剰なダンピングが起こらないように規制をしています。ドーバー海峡を運航しているフェリーは20あり、雇用面でもインパクトが大きいので、必要以上にダンピングしています。しかし、個人的には、ユーロトンネルはエンジニアが中心になってやったプロジェクトで、余り利益云々は考えていないのではないか。それが利益が上がっていない理由だと思います。

(司会)

ヒンターランドの話がありましたが、日本ではフェリーのヒンターランドは狭くて、イギリスでは広いという話がありましたが、日本でも幹線道路、高速道路ができてヒンターランドが大分広がってきて、例えば新潟から北海道に行くフェリーは、四国や近畿からトラックで持ってきて新潟から積み込んで北海道へ行く貨物が増えているというデータがあります。もしイギリスでのヒンターランドの調査や統計をお持ちであれば、帰られてからでも、比較するのにおもしろい材料だと思いますので、いいデータがありましたら提供していただければと思います。

 

・了・

 

 

 

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