2) △mAibと血圧の基礎値および負荷による血圧値の変動に有意な関連性を認めなかった。
3) prc-mAlbは左室重量係数(LVMII)と有意な相関を示さなかったが、△mAlbはLVMIと有意な正の相関を認めた。
4) △mAlbとCCr・NAG・β2MGの間には有意な関連性を認めなかった。
以上のことよりmAlbの基礎レベルではなく、△mAiblよ高HIL圧に伴う心合併症の程度と関連するHI能性が示唆された。高血圧患者の非薬物療法として運動療法も含めてライフスタイルを修正することが勧められているが、今回の検討より運動負荷は、潜在する尿中mAlb排泄の異常を顕性化する可能性が考えられた。さらに運動負荷による尿中mAlbの動態は高血圧性心血と管系合併症の指標となり、また高血圧患者の治療法の選択に有用である可能性が示唆された。
(1) は じ め に
高血圧症による臓器障害の発症。進展、特に心血管系への影響が危惧されており、その重症度はWHO/ISHガイドラインに従って評価されている。臓器障害に影響する因子は様々であるが、血圧値の高さは重要な因子の一つと考えられている。以前に我々は白衣高血圧患者や軽症本態性高血圧患者における24時間血圧変動パターンを各種指標で解析し、臓器障害に対する危険因子としてどのような指標に注意すべきであるか検討してきた。その中の一つとして、夜間における収縮期血圧の降圧が不十分であることが左室肥大の危険因子となり得ることが明らかとなった。近年、高感度の尿蛋白測定法として微量アルブミンの測定が行われるようになり、糖尿病性腎症においては組織障害度との相関、更には腎障等進行の予測因子として位置づけられている。一方、本態性高血圧における微量アルブミン尿の臨床的意義についてはいまだ確立されていない。本態性高血圧症においても血圧コントロール状態との相関、しいては心血管合併症の予測因子となりうることが期待されており、安静時尿中mAlbが心血管系疾患の罹患率や