日本財団 図書館


1. 研究概要

 

1.1 研究背景

民間航空機の測位システムとしてGPS(全世界衛星測位システム)の導入が計画されている。

航空機用として、GPSを使用する上での問題点が、システムの信頼性と、精度の面で存在する。この二つの問題の解決手段として、GPS補強システムが考えられている。

米国においてはWAAS(Wide Area Augmemtation System:広域補強システム)、欧州においてはEGNOS(European Geostationary Navigation Overlay Service:欧州静止衛星航法オーバーレイサービス)の整備が進められている。

わが国においても、平成11年には運輸多目的衛星(MTSAT:Mu1ti-functional Transport Satellite)が打ち上げられ、これを利用した運輸多目的衛星用衛星航法補強システム(MSAS:MTSAT Satellite based Augmentation System)の整備が進められており、このシステムによりGPSを補強する情報が航空機に提供されることとなっている。計画の推進を図るためには、早期に当情報を利用する機上受信機を開発し、その機能、性能を評価することが重要であると考え本研究を実施するものである。

1.2 研究目的

GPS補強システム用機上受信機に要求される要件を明らかにするとともに、当該要件を満足する受信機を開発し、その機能、性能の確認を行なうことを目的とする。

1.3 研究内容

平成9年度は機上受信機に要求される機能、性能及び衛星情報の処理に関して調査を行い、衛星情報の処理ソフトウェアについての基本設計を実施した。調査研究の具体的な項目を以下に示す。

1) 機上システム要求要件調査

a) ハードウェアに係わる要求要件調査

b) ソフトウェアに係わる要求要件調査

2) 機上ソフトウェアの基本設計

a) メッセージ処理部基本設計

b) RAIM(受信機自律型完全性モニタ)部分基本設計

平成9年度から本研究は開始され、次年度以降は以下の計画で進めることが必要である。

・ 平成10年度

機上システムの機能・性能の評価を行うためのGPS受信機を開発する。

実衛星もしくは地上シミュレータを使用して受信機の動作確認のための基本的な実験を行う。

・ 平成11年度

受信機についての評価項目、評価方法を確定し、平成11年度打ち上げ予定のMTSATからの信号、あるいは地上シミュレータからの信号により機能、性能について総合評価、検討を行う。

1.4 研究日程

平成9年度の調査研究日程を次表に示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION