4.1.2 システム構成
本研究のVDLモード3のシステム構成を図4.1.2に示す。
現在の対空無線の設置状況は空港に設置されるAG施設は送信機と受信機が一体となったトランシーバが主流であり、エンルート用のRCAGに於いては一般に送信機と受信機が離れた場所に設置されている。これは、複数の周波数が使用される場合、受信系に隣接する送信空中線からの干渉信号が問題となるからである。
従って、VDLに於いてもより現実的なシステムは、現在の送信所及び受信所に、送信機と受信機が分離して設置されると考えられる。
また現在、一つの周波数が一つの空中線を使用することが一般的であるが、VDLに於いてもこの条件は変わらないと考えられる。したがって、25kHzの周波数毎に単一の空中線が必要になると考える。ただしVDLの場合、一つの周波数が3〜4つのタイムスロット(チャネル)に使用されるため空中線の数は使用されるチャネル数に比較して少なくなると考えられる。
今回の研究には音声通信の評価は含まれていないが、将来の研究に備え、音声処理部の追加を考慮した設計とする。なお、高周波部や変復調部は既に試作した機器を改造・流用することとする。