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2.1.2.3 SITA経由のデータ伝送経路

 

SITAの場合、DOWNLINKメッセージは、シンガポールで運用されているホストコンピューターASP(AIRCOM Service Processor)にて集積・処理される。ASPはユーザーに対して、2種類の伝送媒体をもっている。一つはテレタイプと呼ばれる航空業界独白のテレックスプロトコルに対応するもので、DIS(DATA Interface System)というスイッチングノード間のネットワークDTN(Data Transport Network)でデータ受送信が行われる。もう一つは汎用的なパケットプロトコルX.25に対応するためのもので、MTS(MEGA Transport Switch)と呼ばれる終端ノード間のネットワークMTN(MEGA Transport Network)でデータの受送信が行われる。SITAでは従来からのネットワークであるDTNからMTNへの移行を計画している。

ASPはMTNに対するインターフェイスとして、DHP(Direct Host Processor)と呼ばれるフロントエンドを使用しており、パケット変換やVC管理はDHPにて行われている1

本評価試験における接続形態であるSITAと日本航空間の接続は、9600BPSの専用回線で結ばれており、伝送媒体としては、先に述べた2種類の伝送媒体のうちMTNをプライマリーに利用しており、DHP経由の接続形態となっているの本評価試験においてSITAを経由したデータ伝送時における接続構成図を図2.1.2.3-1に示す。

一方、本運用時のDOWNLINKメッセージの流れは、SITA(ASP)からAVICOMを経由してDLPへ流れる形態となる。この際のSITAとAVICOMとの間は、9600BPS2でDTNによって接続されている。従ってこの場合はDHPではなく、MSS(Massage Switching System)を経由しての接続形態である。この場合の接続構成図を図2.1.2.3-2に示す。

 

1SITA(ASP)とA/G-DATA接続を行うには、原則として2,3層にX.25バケット、4層にBATAP(type-B Application To Application Protocol)を用いる事が要求される。DTN経由で接続する場合はX.25/PVC経由で接続する場合はX.25/SVC手順を選択する事となるが、最近のSITAのスタンスとしてはDHP/MTN経由の接続を推奨している。MSSは通常のテレタイプメッセージを同時に処理しているのに対して、DHPは空地通信メッセージのみを処理しているため、安定性が高い。

2AVICOMとSITA間は、物理的には9600BPSの専用回線1回線であるが、論理的にはATSメッセージ用とAOCメッセージ2論理回線が設定されている。

 

 

 

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