日本財団 図書館


8 出艇前の安全チェック

 

乗る前のチェックポイント

 

正しく安全に乗艇させるために、乗る前の安全チェックを常に習慣づけさせることも指導員として忘れてはいけないこと。この安全チェックをしっかり行うことで、無意味なトラブルが未然に防げるのだ。

またジェットスキーと水面を目の前にすると、早く乗りたいという気持ちが強くなり、この安全チェックを十分行わずに出艇してしまう人が多いが、指導員は余裕のある時間を取り安全チェックを行うようにしてほしい。一度沖に出ると水上では整備、修理ができないばかりか、水上でのトラブルなどに繋がるということを、十分に理解させることだ。スムーズな講習を行うためにも、しっかりとした点検箇所リスト等を作成し、実行してほしい。また指導員は、チェックの仕方から調整、修理という知識と技術は完全にマスターしておくことだ。

 

1 燃料タンク内の圧力

燃料タンク内の圧力を逃すために、燃料注入口のキャップを一度開けて、また閉め直す。この時にキャップがしっかり閉っているかを確認すること。タンク内の圧力が高くなると、エンジンの回転が不規則になったり、燃料消費量が増えるなどの問題が生じてくる

 

2 ステアリング

ステアリング系統の故障が起こると危険なので、ひっかかりやガタかないか、また過度の遊びや、ステアリングノズルが左右均等に動いているかどうかをしっかりとチェックする。またステアリングがかたい場合は、ステアリングピボットの油切れ、ケーブルの損傷などが考えられるので、必すチェックするようにしたい

005-1.gif

 

3 燃料漏れ

エンジンフードを外して、エンジンルーム内の換気を行う。その時にエンジンルーム内に燃料漏れがないかチェックする。 気化したガソリンがエンジンルーム内にたまると火災や爆発の原因になる

 

4 ビルジ(あか)の排水

エンジンルーム内にビルジが溜まっている場合には、ジェットスキーを左側に傾けるか、ボンプ等を使って排出する。この時に必ず左側に傾けないと、排気系統内の水がエンジン内に入り、エンジンが始動しないなどのトラブルの原因になる

005-2.gif

 

5 ジェットポンプの清掃

吸水孔・ジェットポンプ・ドライブシャフト等に異物がからまっていないかを点検し、あれば取り除く。この時にはエンジンを絶対回転させないこと。また不用意にエンジンが回転しないようにスターター・ロックスイッチがロック(左の位置にあればいい)しているかを確認すること。もし異物がつまったまま走行すると、エンジンの出力が上がらなかったり.エンジンがオーバーヒートしてしまうなどのトラブルが起きるので十分にチェックすること

005-3.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION