日本財団 図書館


海難防止のための緊急の航行安全対策の周知徹底について

第三管区海上保安本部

 

時下ますます御清栄のこととお慶び申し上げます.

皆様方には,平素から当庁の業務につきまして格別の御理解と御協力を賜り深く感謝いたします。

今般,東京湾において,LPGタンカー第二高砂丸(総トン数690トン)の浸水・転覆事故,大型タンカー「ダイアモンド・グレース」(総トン数147,012トン,パナマ船籍)の乗揚げ・原油流出事故と始舶交通に大きな影響を与えた海難が連続して発生し,更に全国的にも重大な海難が多発していることに鑑み,当管内においては,本年1月から6月末までの間に速報値でありますが,要救助海難が120隻発生し,前年同期より16隻増加している状況にあります。

特に,プレジャーボート等の要救助海難が69隻と前年同期より13隻増加し,相変わらず顕著な増加傾向を示しております。

また,7月1日から13日までの間に不要救助海難も含め16隻の船舶が海難に遭遇し,このうち狭視界時における衝突・乗揚げが4件・7隻発生しております。

狭視界時における衝突・乗揚げは,本年1月から7月13日までの間に6件・11隻(前年同期15件・27隻)と前年同期より減少しているものの6月25日以降5件・9隻と続けて発生し,今後も濃霧の発生することが予想されることから,狭視界時における衝突等の海難の発生が懸念されるところであります。

このように憂慮すべき状況から当管区といたしましても7月1日から15日までの間実施している関東地方海難防止強調運動及び7月16日から開始される全国海難防止強調運動における海難防止講習会,訪船指導及び現場指導等あらゆる機会をとらえ,海事関係者,漁業関係者及び海洋レジャー関係者等に対し,海難防止指導を強化することといたしておりますので,皆様方におかれましても下記の安全運航のために基本的な事項の遵守につきまして,傘下の船舶乗組員等関係者の方々に周知,指導していただきたく御協力方よろしくお願いいたします。

 

 

1 出港時においては,特に「船舶の点検(船体,機関,積荷等)」及び「気象海象情報の人手」に努めること。

 

2 航行時においては,「自船の状態(喫水,積荷の状況等)」及び「航行経路付近の状況(船舶の輻輳壌状況,風潮流,浅瀬等の障害物等)」に留意し,「船位の確認」及び「見

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION