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燃料消費に就いて

航海中一番心配なのは残油量であろう。それが為に航海計画では,燃料計算を入念に行っておかなければならない。昔からショートバンカーは船乗りの最大の恥とされている。P・Bの場合シーマージンは普通25%位余分に見込む必要がある。NR(ナビゲーション・レンジ)と言う言葉がある。之は航続距判と言うことで保有する燃量で,どこまで航海出来るかの距離のことである。NRは回転を落して低速で走ると長くなる。変化のはげしい海上では,色々な事が起って来る。港までまだ残航程が大部あるが残油がとぼしい。何ノットで走ろうかとか,何ノットの速力にしたら同Klの燃量がいるかとか。思はぬ航海運準や時化模様の時等きっと役に立つから,次の事を覚えておくと良い。

?1時間当りの消費量は速力の三乗に比例する。

?一浬当りの消費量は速力の二乗に比例する。

 

EX,

120′を12ノットの速力で走るのに300l燃料を消費したとすれば10ノットで走れば何l消費するか。

解1)

(12)3 30l(1時間当たり消費量)

(10)3 X X=30000/1728=17.36

17.36×12=208l

解2)

(12)2 300l/120(1浬当たりの消費量)

(10)2 X X=1,736

1,736×120=208l

 

行動予定表の作成

机上で作成した航海計画はそのまま行動予定表として,マリーナや関係先に届けて出航する。行動予定の陸上残置はシー・マンの義務・マナーでもあり海難防止の原点である。この航海に参加するクリューリストは各人の連絡場所等も併記する。

どうかあなたの航海が幸多く安全な航海である様折っている。

〔完〕

 

 

 

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