(9)試料の頂部をショベルで押さえ、供試体を形成する。
(3)〜(9)の作業は、様々な向きから実施するため、この間、約30分程度を要した。
一方、ゲベ鉱の試験においては、ペーローダが小さかったため、試料の上部をショベルで押さえるだけでは充分に水分が均一にならないと考え、ペイローダで薄く広げた試料に乗り上げ、タイヤで試料をひくことにより、均一化を図った。また、円錐貫入試験は、試験する供試体の上面を足で蹴ることにより締め固めてから実施した。
4.3.5.テウディエ産ニッケル鉱(八戸)の実験結果
(1) 水分調製
今回実験に用いたテウディ二鉱は一定程度の水を含んでいたので、最初の円錐貫入試験は、水を加えずに供試体を形成して実施した。各試験における水分調製のための水の量は、最初の供試体の体積を簡単に計測し、且つ、簡単な計測により密度を推定することで試料の質量を推定し、さらに、これまでの経験から水分値を推定することにより計算した。
最初の試料の水分値及び実験後に残った試料の質量を、大平洋金属(株)に計測していただいた。これらの値と、加えた水の量及び採取した試料の量から、蒸発を無視して求めた試料の水分量を表4.3.1に示す。表において太字は計測値、斜体は計算値を表す。
最初の試料については、供試体を円筒形と仮定し、円筒の平均的な直径及び厚さより体積を求めた。その結果、供試体の体積は約1.27m3と推定した。さらに、締め固めによる突き固め試験(プロクター試験)の容器を用いて、試料の嵩密度を推定した。結果は、1,490kg/m3でぁった。以上により、最初の試料の質量を1,890kgと推定した。この推定結果は、概ね試験後の計測結果と合致した。
(2) 水分値計測
円錐貫入試験後に採取した試料は、その場で水分を含む試料の質量を計測し、船舶艤装品研究所に運送した後、分割して乾燥し、乾燥状態における試料の質量を求めた。計測した水分値を表4.3.2に示す。試料番号4番と5番の試料を除いて、水分値は単調に増