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II 宇久島無料検診の概略

昭和38年から長崎県五島列島の宇久島,小値賀島,生月島,鹿児島県の屋久島,種子島,沖縄県の沖縄本島,伊良部島など離島での眼科無料検診活動を続けてきた。これら七つの離島診療の経験から,開業医としての診療を行いながら,より効果を上げるために,一つの島(宇久島)に絞ることにした。

宇久島の眼科検診は平成9年度の今日まで13年間連続して実施している。かつて台風の接近で数日間足止めを食った経験もあり,離島での医療活動が気象条件に左右されやすいことを実感せざるを得ない。検診は毎年夏に1度実施し,島民を対象とし任意で受診する形態をとり,一部の体の不自由な方には適宜往診を行った。この検診は日頃眼科専門医の診療を受けることが少ない島民に,広く受診してもらえるようにと,第1回目の検診から無料で診察,処置,処方,相談を行い,この方針は現在まで貫かれている。診療の母体は福田眼科病院の医師,看護婦,パラメディカルや医療器材および眼鏡技術者からなり,その他,主旨に賛同した医師らがボランティアとして参加している。

平成6年から耳鼻科検診が4回行われ軌道に乗り,平成9年度は泌尿器科医師,過去には産婦人科,内科,外科医師も参加し,検診の幅が次第に広がっている。平成8年度からは宇久島南方(航路15分)に位置する小値賀島からも要請があり,新たに無料検診を開始した。

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III 宇久島における眼科疾患の動向

無料検診を始めた当初は未治療の白内障,緑内障,角膜パンヌス,翼状片などの重篤な症例が目立ち,離島での眼科診療の切迫した必要性を感ぜざるを得なかったが,現在では宇久島においても受診者の眼疾の種類,比率は市中と殆ど大差はないと推定される。

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