診療所勤務者[症例6]が,その経過を詳細に伝えてくれたので,HPVの成人感染の推測がついた。
そこで他のHPV家族内感染と思われる病歴を詳細に検討し考察した。
最終に罹患した[症例20]も診療所勤務者の家族で専門皮膚科を受診し,風疹疑診されているのを話の内容からHPVではないだろうかと採血を行ったところ陽性であった。
次に症例を示す。
[症例 1]
患者 12才 ♀
初診
'96年10月22日
38.O℃〜38.2℃
発熱,咽頭発赤,治癒
経過
'96年12月3日 39.0℃ 咽頭発赤,頸部リンパ節腫大
以後12月28日まで(12月8日,14日,17日,21日,25日),37.0℃以上の発熱が持続した。
12月17日 WBC26,800
12月21日 WBC 7,500
検尿,異常なし
'97年1月4日〜1月9日まで39.0℃の発熱が持続,治癒
3月23日 両頬の発赤
3月29日 37.0℃ 頭痛
4月4日 38.1℃ 咽頭発赤,頸部リンパ
節腫脹,小豆大5個
4月5日 検尿,異常なし
WBC 13,700, ZTT 13.2 ALP 496
4月7日 37.3℃, :眼脂(十)
[症例 2]
患者 42才 ♀(前記12才患者の母親)
初診 '96年11月22日 無熱,感冒
経過
'96年12月3日 感冒,以後12月28日まで咳が断続的に続く
'97年1月6日 39.5℃,咳,食欲不振,咽頭痛,鼻汁,咽頭発赤の感冒症状
3月16日 両頬紅斑,躯幹発疹掻痒,頸部リンパ節腫大(小豆大)
3月18日 37.1℃ 掻痒が強く全身倦怠感,関節痛
3月22日 関節痛強い,下肢紅色発疹を伴った浮腫状腫脹強い。