鯨岡 兵輔(社団法人日本の水をきれいにする会会長)
紹介を頂いた鯨岡兵輔でございます。
今日は皆様お忙しいでしょうに、この会に積極的にご参加を頂いて誠にありがとうございます。環境問題と私との関係について申し上げてご理解を頂きたいと思います。
もう何年になりますか、私は国務大臣として環境庁をお預かりしたことがありました。その頃はもう経済、経済で環境なんか言ってる者はよほど呑気なやつだと、うるさいから黙ってろといわれるような時代でした。財界はもちろんです。土光さんという人がいましたが、この方は大分理解をして頂きました。しかしながら、一般の財界は我々の仕事にじゃますると環境なんか言ってて事業が発展するわけない、なんてそんな考えでございました。したがって言いにくいんですが、政界もその声に押されてそうだそうだというんでだれも環境問題について熱心に考える者はおりませんでした。仮にいてもその反対の声に押されて口がきけなくなってしまうというようなことでございました。ずいぶんその為に私は苦労を致しました。ちょうどアセスメントという法律を私は作ろうと思って、どこの国でも先進国はありますから、1つの物差しを作っておいて何かやろうとするときにはその物差しではかって、これはダメ、こうすればいいでしょうと、そういう基準を作ろうと思いましてずいぶん苦労しましたが、申し上げたように経済界はみんな反対、政界もみんな反対、そんな事やってたら今どんどん日本の経済が良くなろうとしているのにおもしろがってブレーキかけるようなもんじゃないか、なに考えてるんだお前はというようなことで、だれもまともに賛成してくれる人はいませんでした。
ずいぶん苦労致しましたが、私はどうしていいかわからなくなっちゃって、そこでごく内密にあんまり人騒がせせんのはいやですから、ごく内密にですが私は当時の総理大臣の鈴木善幸さんの家にいきました。懐に大臣を辞めるという辞表を持って行きました。鈴木善幸さんはまさかそんな事とは思わないで、鯨岡君なんで私の家までやってきてどんな用事があるのよとニコニコしてそう言いましたから、私は誠にあなたを驚かせるようなことで申し訳ないがここに辞表を書いてまいりました。私は大臣を辞めます。これはもし世間に知れれば大きな問題ですから、鈴木善幸さんびっくりして何故だと、私は一生懸命になってアセスメント法を通そうとして努力しているんですが、だれも見向きもしません。いいか悪いか審議してくれた上で、ダメだというのならまだ話はわかります。審議しないんですから、これでは環境庁長官を務めている訳には参りません。どうぞ私を辞めさせて下さい。鈴木善幸さんはびっくりして、わかったそれは申し訳ない、明日行ってあなた方の案件を国会が受け取るようにして上げようとこういってくれました。たしかにその結果受け取ってくれました。受け取ってくれましたけれども審議はしません。これは議員運営委員会のところでうまくないのは後回し後回しで、審議をしてくれません。そんなことで先進国の中でアセスメント法のないのは我が国だけです。これは決して自慢になることではありません。
しかしながら、その後環境問題というのは大変なのでこんなことやってたら、今日の問題も水ですが、水はどんどん汚くなるだろうし、空気も汚くなるだろうし、万般これは大変な事になるよということでアセスメント法こそありませんが関係のお役所の人達が今日もきてますが、とても一生懸命やるようになって今から考えると、今私が申し上げたことがまるで嘘のようなことでございます。その中に大きな問題が沢山ありますが、綾瀬川の問題はその1つであります。私は日本の水をきれいにする会の会長です。どういうものか野鳥の会の会長とか、環境問題の方の責任者はいくつもやっておりますが、まこんなことで今日に至ってまいりました。