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IV [パネルディスカッション]第1ラウンド

 

岩出山町における相談活動の実際

 

佐藤仁一(岩出山町長)

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1 は じ め に

 

岩出山町は、新幹線の古川駅から山形、秋田の方に向かう途中の、伊達政宗公が400年前、米沢から仙台に入る前に12年間居城を構えた地で、現在、人口1万5千50人です。岩出山町には、行政相談委員が1名、人権擁護委員が4名、生活相談員が6名等を始めとして、民生委員や母子相談員等を含めると、なんと人口1万5千50人の町に56名の各種相談員が多種多様な形で行政相談の業務に携わっています。私が反省しているのは、町長になって8年になりますが、この人たちと懇談して苦情の内容や対応等を聞いたことが1回もないということです。パネラーを仰せつかってからこのことを反省をしてきました。したがって、きょうは反省の弁だけ言わなければならないなあと思っております。

2つ目は、この小さな町に7種ぐらいの相談員がいる割には、意見交換の場を設定したのか、あるいは互いに連携をとれる場を持ったのかというと、これまでそれぞれの主管課任せで、町長として全く何の場も持っていなかったということです。2期目も間もなく終わるので、この辺のことを3期目の公約にでもしようかと、今反省をしながら考えています。

 

2 町民の苦情とコミュニティー活動

 

現在は、地域変化が著しい状況です。少子化、高齢化、さらに職場の広域化、職業の多様化という状況にあります。このことは、当然、生活や行政との間に見えないうちに溝ができてくるし、ある面では、小さな町であっても町民生活の中に、不信、不満というものを都市的な構造で持っているというのが現実です。われわれのような小さな町では、町民の行政に対する不信、不満からくる苦情への対策型の行政を進めるのではなくして、住民の積極的な地域活動に対して行政が一緒に参加する、行政もパートナーとして住民生活に参加をするというシステムを作り上げようというのが、私のこの8年間の

 

 

 

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