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[特別講演]?U

ニュージーランドにおけるオンブズマンの現状と課題

ブライアン・エルウッド

〔ニュージーランドチーフ・オンブズマン国際オンブズマン協会理事〕

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1 は じ め に

今回このような権威ある重要な会議(フォーラム)にゲストスピーカーとしてお招きいただきまして大変光栄に存じます。日本では、オンブズマンの方々は、行政相談委員という名称で認識されており、また、他の国のオンブズマンとは異なった手続で任命されていますが、私どもが先年、国際オンブズマン協会の理事として、日本の国の皆様のこの制度を国際オンブズマン協会という国際オンブズマンコミュニティーの会員として迎えるお手伝いができましたことは、私の喜びとするところであります。

日本のオンブズマンの皆さんの活動やその機能は、世界のオンブズマンの活動と比較してみても何ら違和感のあるものではありませんし、日本がこのオンブズマン協会の会員資格を得られたということは、非常に当然の理であります。皆さんの国には、行政相談委員というオンブズマンと同じだけの機能を持ったそれだけの歴史、土壊がありますから、将来ひょっとすると、オンブズマンという英語の名称が皆さんの日本語の中にそのまま取り入れられることもあるのではないでしょうか。

わが国ニュージーランドが初めてオンブズマンを任命したのは1962年でした。スカンジナビア諸国以外でオンブズマンを任命したのは私の国が最初でして、その時以来、「オンブズマン」という名称をそのまま使っています。最初に女性のオンブズマンがわが国ニュージーランドで任命されたときには、オンブズ「マン」という名称が記されているため、女性がどのようにしてその「マン」になれるのか、というような質問を受けました。私は、どのように答えたらいいのかちょっと分からなかったのですが、「オンブズマン」は、「オンブズ」と「マン」を足したものではなく、一語で市民の擁護者(プロテクター)を意味するものです。

 

2 オンブズマンの任命

ニュージーランドのオンブズマンは、伝統的に議会の全会一致により任命されていますが、時として状況によっては、全会一致の必要が存在しない場合もあります。オンブズマンはフルタイムの仕事でして、オンブズマンへのアクセスには制約が付けられておりません。

 

 

 

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