9.4 全Phaseのコスト
全phaseに対してのUBTSLのコスト見積は表3.1-3に示される。表3.1-2,表3.1-3を比較してみれば解るとおり、各項目のユニットプライスは全く同じものが用いられている。従って表3.1-2のユニットプライスについてJARTSのレビューはそのまま表3.1-3のユニットプライスのレビューとなるもので特に表3.1-3のレビューは実施しないものとする。
9.5結語
現段階では電力、信号、通信等のシステムは十分明確に定められておらず、関連データも準備されていない。従ってJARTSのレビューは9.2節で述べた仮定または前提のもとに行われている。
コストレビューの要約は次に述べる通りである。
(1)土木構造物についてのコスト見積は、JARTSによるものはUBTSLによるものより50%高い。また軌道についてはJARTSの見積はUBTSLの見積の約3倍となっている。UBTSLは土木構造物、軌道の見積についてインド国鉄、コンカン鉄道、カルカッタメトロ等の経験基づいて確認されることを望む。
(2)システムと車両についてJARTSの見積はUBTSLの見積と大差はない(約6%の違い)
(3)ソフトのコストはハードコストの38%を占める。このコストはインドにおける鉄道建設に経験のあるローカルのコンサルタント、専門家の活用によりー部安く出来よう。土木構造物に対する予備費については、事前の地質調査を十分行う事により或る程度少なく出来よう。
(4)必要車両数の計算においてPhase 1のルートの2011年における需要予測を用いたが、この需要予測は2011年で全ネットワークが完成しているという前提でなされている。この結果必要車両数は46両となっている。2011年に全ネットワークが完成していない場合は、2011年においてPhase 1ルートに対する需要は少なくなる。営業開始の2002年における需要は更に少ないものとなろう。
財務分析においてこの点は十分考慮されるべきであろう。
(5)車両基地のコストはLRT全ネットワークに対する必要車両数136両に対して見積もった。しかしPhase 1ルートに対する必要車両数は46両である。従って車両基地に対する投資の23%程度は約10年遅らせる事が可能であろう。
第10章 建設スケジュール
10.1 一般
UBTSLの作製したPhase 1の建設スケジュールは、図3.3-1に示されている。図10.1-1は図3.3-1を単純化したものである。この建設スケジュールについてのコメントを以下に述べる。