[団体名] 鴨池たんぼクラブ
[代表者名] 山本芳夫
[活動紹介]
石川県加賀市にある片野鴨池は、江戸時代から300年以上水田耕作と坂網猟によって現在までガン・カモ類の日本有数の越冬地として維持されてきました。そして国設片野鴨池鳥獣保護区、ラムサール条約登録湿地にも指定されています。
しかし、減反政策などによって水田は、ほんの一部になってしまいました。それでもそこは、ガン類の好む休息地となっています。そして田んぼには多くの生き物が生息しています。鴨池観察館友の会(会長山本芳夫)では、市民に呼びかけ「鴨池たんぼクラブ」を作り、水田耕作体験による環境教育と希少植物の復元など生物の保全事業への取り組みを始めました。
<田起こしから米団子作りまで>
昨年4月に「鴨池たんぼクラブ」を結成し「田起こしと生き物観察会」が最初の行事でした。観察班は、タイコウチ、オオコオイムシ、ゲンゴロウの仲間、二ホンアカガエル、シュレーゲルアオガエル、アメリカザリガニ、ウキゴリなどを見つけ子供たちはおおはしゃぎでした。
4月下旬に経験者の指導でコシヒカリの苗を植えました。その後、私たちが借りた約百平方メートルの水田の二分の一ほどにコシヒカリの苗を植え、残りの場所には、6月にミズアオイやデンジソウなど絶滅が心配されているレッドデータブック記載種の植物を移植しました。ミズアオイは、鴨池内にまだあるのですが、ヨシ、ウキヤガラなどの増加とともに日が当たらなく著しく減少してきました。デンジソウは、鴨池内からは、すでに無くなってしまいましたが、植物研究家の方より分けていただいた加賀地方で採取し自宅で増やしたものなどを移植しました。
「稲刈り」を9月に行いました。作業は、鎌での手刈りと卸を縛る作業、そしてはさかけを行いました。参加者は稲刈りからはざかけまで一通り体験でき皆満足そうでした。
そして、希少植物の復元・保存と言うことで移植したデンジソウは、当初の数十倍も株が増えました。またミズアオイも、すべてに花が咲き種が落ちれば来年以降も自生していくだろうと思われます。
11月に市民にも呼びかけ「わら細工作り」をしました。これは、鴨池たんぼクラブで作った稲のわらを使ったものです。縄なえの練習を繰り返し小さなしめ縄を作りました。初めて作る人がほとんどで良い体験となりました。
12月には、鴨池たんぼクラブの忘年会を兼ねて収穫したお米を使って皆で米団子を作りました。子供たちも真っ白になりながら米の粉を練りました。
[私たちの自慢]
鴨池が、日本有数の水鳥渡来地であること。そして鴨池を300年以上もの間、人間の活動との関わりの中で残してきたこと。
[私たちの悩み]
トモエガモを始め、カモ類の減少が心配。
たんぼクラブの仲間をもっともっと増やしたい。