「甦れ!里山シンポジウム」メッセージ
日本野鳥の会千葉県支部 支部長 根本喜一
この度(財)日本野鳥の会の長期重点事業として「里山の自然と野鳥を守る」ことについて「甦れ!里山シンポジウム」を、この千葉県に於いて開催されることは喜びにたえません。
里山の保護運動を推進されている多数の団体のご参集をいただき、当企画に地元千葉県支部が本部と共催として同席することを誇りに思っております。
千葉県の海抜高は全国平均が400mであるのに対し、僅か50mに過ぎず全国一の平坦地になっております。このため、大規模な宅地造成が進み首都圏への通勤圏として位置づけられております。最近では東京湾アクアラインの開通も間近に迫り、更に首都圏新都市鉄道の関連整備等の大型プロジェクトが推進され開発の嵐はとどまるところなく押し寄せております。
私達の平和な憩いの場になっている雑木林や鎮守の森等は里山として幼い頃からの遊び場であり、故郷の良い思い出の場でありました。そしてこれ等は農村文化の泉でもあったのです。この里山が相互に連携しながら多くの生物相が育まれていることは申すまでもありません。
自然環境の整備と産業の開発との調和に関しては、各市町村では1970年代からいろいろな条例が制定されてきていますが、直接里山の保全、再生を目的とした条例は見当たらないのが現状です。私達はこの里山を最後の砦として守り里山の地権者については課税の特令扱いがなされ優遇措置等の考慮を図られて里山と併せて保護されることを望みます。人間の生活に精神的潤いを与えてくれる「レクリエーション」や、市民団体のコミュニケーションの場として定着している里山は、ここにお集まりの各団体の方々はそれぞれ各地域でご活躍され実績をお持ちの方々と思います。皆様からのご指導、ご教授を賜りながら里山の環境を守り、里山の持つ公益的機能を維持し、継続して運営し甦った里山を目指し緑豊かな自然環境の保全のために頑張ります。