5-2 システムの標準化に向けた課題の抽出
ここでは、5-1で検討・整理した、今回の実証実験を通した路線バスの高度情報化に向けた検討を踏まえ、バス情報提供システムの標準化を進める上での課題の抽出を行う。
バス情報提供システムの標準化に向けた主な課題としては以下の点が指摘出来る。
?@路線バス事業の高度情報化を進める上で、バス事業者自身の持つ情報項目の内、システム内への取り込みが必要な情報項目の選定が必要である。(利用者にとって必要な情報項目、バス事業者にとって必要な情報項目の双方の視点での検討が必要)
?Aバス情報提供システムとして、情報提供に求められる情報サービスメニューの検討と、当該サービスを提供する上での必要情報項目の検討が必要である。
?Bバスの位置情報等のリアルタイム情報を収集・提供する組織として、事業者自身が情報の管理を行うのか、あるいは複数の事業者をまとめて情報管理するのかといった、情報管理体制の検討が必要である。
?C?Bで指摘した情報管理の圏域として、どの程度の広さを一つのエリアと考えて情報を管理していくのかについても、検討が必要である。
?D上記のバス関連情報を広域的に管理総合する組織の必要性の検討と、広域的な情報の管理体制についても検討が必要である。
?E関係機関との情報交換については、路線バス事業の高度情報化の上でも、情報交換が必要な関係機関及び、情報交換が可能な関係機関について検討が必要である。
?F?Eで検討を行った関係機関情報については、バス情報提供システムへの取り込みを前提とした情報システムの標準化に関する検討が必要である。
?Gバス事業者とバス利用者及び情報管理組織、関係機関等との情報のやり取りについて、各機関間での情報交換方法、情報の流れ等に関する検討が必要である。
?H利用者にとって使いやすい情報の提供方法と、情報の提供場所に関する検討が必要である。
?I情報システムの標準化を前提とした、一般家庭、バス停、公共施設内等での情報提供装置、情報提供方法に関する検討が必要である。
?J最適経路情報提供システム等のように、関連機関からの情報を、利用者にとって使いやすい情報に一部加工して提供するための、組織の設置・運営等の主体に関する検討が必要である。
バス情報提供システムの標準化に向けては、上記等様々な課題に関する検討が必要であり、バス事業者だけではなく、幅広い関係各機関との協力の下でのバス情報提供システムの標準化へ向けての取り組みが今後一層求められる。