(2)利用者数の変化の検証
バス利用者数の推移は(1)で整理した通りだが、月別の波動を除外して利用者数の変化を分析する目的から、2時期のデータの比を取り、対前年同月比として、月別のバス利用者数の変化を整理したものが図4-5-3である。
これによると、8系統、105系統の2系統以外は、実証実験期間の対前年同月比が、実験を行っていない11月に較べて高くなっていることがわかる。一方、ここで取り上げた6系統のバス利用者数合計の対前年同月比は約1.06倍でほぼ一定となっており、対象路線全体としてのバス利用者数は、実証実験の実施期間とは関係なくほぼ横這いとなっている。したがって、個別の系統別では、増減傾向も見られるが、全体的には実証実験によるバス運行情報の提供によるバス利用促進は明らかな形では確認できなかった。
なお、2時点のデータの比較の上での注意事項として、2時点の間である1997年9月にバス運賃の値上げが実施されていることをここに付記する。