2-2-2 交通管理者が必要とする機能の検討
交通管理者である警察庁の公共交通に対するITS活用策としては、公共車両優先システム(PTPS;Public Transportation Priority Systems)、車両運行管理システム(MOCS;Mobile Operation Control Systems)に対する取り組みが進められている。なお、このような取り組みは、新交通管理システム(UTMS;Universal Traffic Management Systems)のサブシステムの1つとして位置付けられている。
公共車両優先システム:優先信号制御や優先レーンの設定により、公共車両を優先的に運行させるとともに、バス利用者などの利便性の向上を図る。
車両運行管理システム:バス・タクシーやトラックの走行位置などを運行管理者に提供することにより、効率的な運行を支援し、交通の円滑化を図る。
このように、公共車両の運行支援、道路交通の円滑化のために、交通管理者が必要とする機能は、交通流動の中での公共車両位置の正確な把握となる。現在も、各種の車両感知器によりバスの走行状況を把握し、優先信号の実施を行っているが、形状が似かよっているトラックとの誤認や、観光バスと路線バスの区別などが難しい状況となっている。
したがって、バス事業者との協力の下、バス車両に車載装置を搭載することによって、バスの目的地と現在位置などに関する情報を正確に把握することが、求められている。