C2も約三割弱の者に共通の価値観で、第二因子の「伝統的価値」を強く否定し、第一因子の影響をもつ最新流行タイプで、人間関係の第三因子の色合も若干もっている。今日、「若者」というとき、イメージされる典型的な「新しがりやタイプ」といえるだろう。
C3は二割弱を占める少数派といえるが、新しい人間像を示している。第一因子の最新流行をとり入れ、リーダーシップを合せもつ新感覚の仕事生きがい派である。ニュー仕事人といえるかもしれない。ただこのタイプは、他人との協調が不得意でやや孤独なところがみられる。
C4の最後のグループは、約二割あるが、これが最も注意すべきグループといえる。三つの因子ともマイナスに位置しており、なかでも、第一因子の最新流行指向と、リーダー指向が全くないことである。第二因子の伝統的責任感や仕事に生きがいもない。この姿は、いわゆる「三無主義」であり、無気力、無関心、無責任さを表す。このグループが一割もあるということは、現代を表わしているともいえるが、家族や友人とも接触しない孤独さをもっている。現代社会から疎外されたグループということができるだろう。
クラスター1からクラスター4までを述べてきた。この中で面白く時代を表わすのが、クラスター3の「ニュー仕事人」とでもいうべき存在である。注目に値する。
また、クラスター2の専ら遊び感覚は強いとはいうものの、一種の「オタク」的傾向を示しており、むしろ、こういうグループが意外な活躍を示すのかもしれない。
これらのクラスターの結果を、調査で行った結果とクロスさせてみたのが、次の図表4-9〜図表4-15である。この表でC1はクラスター1を意味する。なお、ここに挙げた表は、有意の表のあった項目だけを挙げた。