図表4-1にあるように、「親に反対されてもしたいことをする」「仕事以外に情熱を傾けられることがある」「いろいろの仕事を経験したい」「何かの資格をとりたい」などの項目が高い評価を得ている。そのわりに、「自分に向いている仕事がわからない」と答えており、問題がはっきり浮び上った形となっている。
図表4-2の自分自身についての回答では、「仕事に生きがいを感じる」という答えが少なく、「新しいことに取り組むのが好き」「自慢できる趣味や特技をもっている」といった答えが注目される。
ここでみられた「自己概念」は、「好きなことがある」「資格をとりたい」「自慢できる趣味や特技をもっている」という相対観の強い自己像ではあるが、自らに向いている仕事は何か判らない、という「自己」が上滑りしているとみられる。
このことは、後に詳しい分析をして、より心の深い部分に光を当てることとしたい。
専門学校生にたいするキャリアアップについての調査では、「人づきあい」などの自信についての質問10項目をたずね、また「仕事や会社への関わり方」として「仕事に必要なものは自費ででも勉強すべきだ」など13項目をたずねている。
「自分についての自信」は、図表4-3のとおりの結果となった。
どの項目についても「自信」がみなぎっているとはいえない結果となっている。ひとつには、この質問が現代の若者の「好きなこと」とは直接的には関係のない項目だったからだろう。
しかし、この結果は反面教師としての価値をもっているといえるのかもしれない。十個の質問は「働く」ことについての基本的な能力である。その基礎基本が十分でない、といえるわけで、